温経湯

温経湯(ウンケイトウ)には、当帰(トウキ)、川芎(センキュウ)、桂枝(ケイシ)、呉茱萸(ゴシュユ)、半夏(ハンゲ)、生姜(ショウキョウ)、麦門冬(バクモン)、阿膠(アキョウ)、人参(ニンジン)、牡丹皮(ボタンピ)、芍薬(シャクヤク)、甘草(カンゾウ)の12種類の生薬が入っています。

当帰:補血作用があります。

川芎:瘀血の状態をよくします。

牡丹皮川芎:瘀血を改善し、清熱涼潔作用があり、血行をよくします。

呉茱萸:ミカン科の呉茱萸は苦味があるのですが、血流を促進することで、冷え性やそれに伴う頭痛や嘔吐に有効とされていています。

桂皮:身体を温めて血液の循環を良くします

半夏:水分の停滞を改善します。

生姜:身体を温めます。

麦門冬:滋潤作用があり、肺や腸を潤します。

阿膠:ウマ科であるロバの皮や腱、靭帯などを利用した今でいうコラーゲンのことです。補血滋陰、潤燥の作用があります。

人参:生命活動を営むエネルギーである気を補います。

芍薬:結構の調整に役立ちます。

甘草:芍薬と合わせて「芍薬甘草湯」です。

身体を温めることは大切!

温経湯の生薬の名前は、「経(ケイ)」を温める「湯剤」という意味で、「温」はあたためるで、「オン」なのですが、読み方は「ウン」と読みます。「経」は「経絡」のことで、漢方でいう、気・血・水が通る通路を表し、現在の医学では、血管や神経のことを指します。「経路」を温めて、気・血・水の流れや巡りをよくすることで、身体全体の状態を調えることが目的です。

当帰、川芎、桂枝、呉茱萸、生姜、桂皮、半夏、人参の7種類は温熱効果があり、この中でも桂皮と呉茱萸が中心となります。これらは、漢方では「散寒(さんかん)薬」とよばれて、散寒薬を含む漢方は身体の機能を温めることで調子を上げていきます。人参、甘草、生姜、半夏が胃腸の調子を調え、身体全体を良い方に持っていくのです。

女性向けの漢方です

皮膚や唇が渇き、冷え性でどちらかというと虚弱体質の方に向く処方となり「虚証」の方に向きます。乾燥による肌荒れや湿疹など、冷え症の人の指掌角化症といった、主婦湿疹と呼ばれる手荒れやしもやけにも処方されます。

漢方薬の効果を調べる動物実験で、排卵誘発作用などが確認されており、婦人科では、多嚢胞性卵巣症候群や不妊症に用いられています。

前回の桂枝茯苓丸に続き、温経湯も冷えのぼせや、月経困難症の治療にも使われ、生理不順や生理痛、更年期障害、腰痛、頭痛、月経前症候群など女性の身体の不調の様々な治療に使われます。

こむら返りなどの筋肉のけいれんに処方される「芍薬甘草湯」も含まれているので、冷えによる腰痛や生理痛の痛みにも効果があります。

女性はホルモンバランスが乱れることで、体調や健康に加えて、心にも大きな影響があります。ストレスを上手に解消して、自分にあった漢方を見つけられたならば、波のある人生も少しは足取りも軽く進んでいけるかも知れません。