加味逍遙散

「加味逍遙散(かみしょうようさん)」には、柴胡(サイコ) 、芍薬(シャクヤク)、 当帰(トウキ) 、茯苓(ブクリョウ) 、甘草(カンゾウ)、 生姜(ショウキョウ)、 薄荷(ハッカ) 、蒼朮(ソウジュツ) 、山梔子(サンシシ) 、牡丹皮(ボタンピ)の10種類の生薬が入っています。

当帰:血を補う作用もあり血虚を助けます。

牡丹皮:清熱涼血作用があります。

芍薬:血行の調整、痛みの緩和。

柴胡:肝の保護や上腹部の熱感や精神症状に作用します。

山梔子:黄疸や熱を取り除く作用があります。

甘草:様々な生薬の調整をはかり、筋肉の緊張をゆるめます。

生姜:身体を温め水のめぐりを良くし、吐き気などを抑える作用があります。

茯苓・蒼朮(白朮):体の中の水のめぐりを改善することでむくみを取り、胃腸の働きもよくします。

薄荷:清涼や沈静作用がありイライラなどの精神症状に即効性をもって効きます。

更年期の女性にピッタリ!

「加味逍遙散」の「逍遥」はそぞろ歩く様子、あっちこっちをうろうろと歩いて定まらない、という意味が含まれています。更年期の女性の症状は、こんな感じで症状がコロコロと変化します。このような症状を治すために「逍遥散(しょうようさん)」が出来ました。その「逍遥散」をもっと増強して「山梔子」「牡丹皮」を加えて「加味逍遙散」が出来たようです。

更年期障害とは、閉経前後に起こる不定愁訴の症状です。のぼせ、冷汗、冷え性、動悸など、血管運動神経障害や精神神経症状と非常に多彩であり個人差のあるものです。我慢している女性も多く治療を受ける方も少ないようです。

加味逍遥散は漢方の中でも比較的飲みやすいと言われています。副作用はお腹がゆるくなる人がいるようですが、女性は便秘がちな人が多いので、むしろ便秘の解消になり喜ばれる方も多くいます。

もしも下痢になるような場合は服用回数を1日3回から2回に減らすか、半量を3回服用ください。

思春期の方にもおすすめ!

生理前にイライラしたり、クヨクヨするなどの症状に悩む方にもおすすめです。20歳代などの若い女性の方でも、ストレスで体力が低下傾向の時などにも効果を発揮します。加味逍遥散は自律神経に働きかけてホルモンバランスを整えて、穏やかな作用で女性の体調不良を改善させます。

加味逍遙散(カミショウヨウサン)を飲むことでイライラ、クヨクヨが緩和されたという人が多くいます。月経前症候群や下腹部痛など、精神的な症状にまで幅広く効き目があります。

更年期の女性にはまず、最初に処方されることの多い漢方でもあります。当医院では、保険診療で症状に合う漢方をまず、1週間処方します。患者様の証に合うかどうか分からないからです。

1週間も服用すれば患者様自身が合うかどうかを判断できると思います。その後、調子が良ければ1ヵ月分を処方させてもらいます。少しずつ症状が改善できるかを観察しながら、処方を決めさせてもらいたいと考えています。

圧倒的に女性に使われますが、お酒を良く飲む男性の方にも効き目があります。「柴胡」「山梔子」の効果で肝臓の機能改善が期待できるようです。慢性肝疾患の影響で精神症状がある方はお試しください。