参蘇飲(ジンソイン)も妊婦さんには良く処方します。
半夏(ハンゲ)、茯苓(ブクリョウ)、葛根(カッコン)、桔梗(キキョウ)、陳皮(チンピ)、大棗(タイソウ)、人参(ニンジン)、甘草(カンゾウ)、枳実(キジツ)、蘇葉(ソヨウ)、生姜(ショウキョウ)、前胡(ゼンコ)と12の生薬からできています。
風邪の症状が長引くときの処方
先日の「香蘇散」と同様に胃腸の弱い方に、風邪の処症状に用いられてきた漢方薬です。風邪が長引いて咳や鼻水、発熱や頭痛などが辛いときに効き目があります。
胃腸を整える生薬が多く使われているので、風邪により弱った胃腸を整えて、食事をきちんと取れるように体力をつけるようにします。
身体を温める作用のある生姜や、喉によい桔梗、気を巡らして落ち込んだ気分を改善させる紫蘇も含まれていて、葛根が筋肉のコリを取り去ります。妊婦さんにも古くから、使用されていて安心です。
茯苓:利水、健脾、安神などがあり、むくみ、食欲不振、消化不良、動悸、不眠などに効果があります。
葛根:解肌、透疹、潤筋、止渇、止瀉などがあり、頭痛や肩こりなどの風邪症状、筋肉の緊張、口の渇き、下痢などに効果があります。
桔梗:止咳、去痰、排膿などがあり、せき、痰、咽喉の痛みなどに効果があります。
陳皮:鎮吐、鎮咳、駆風などがあり、咳嗽、肩こり、消化不良、胃酸過多症、悪心嘔吐、下痢、風邪、冷え性、神経痛などに効果があります。
大棗:健脾、鎮静などがあり、食欲不振、下痢、不安感、興奮などに効果があります。
人参:補気、健脾、強壮などがあり、疲労や体力の低下、食欲不振、消化不良などに効果があります。
甘草:鎮痛、鎮痙、解毒、鎮咳などがあり、咽喉痛、胃痙攣、胃潰瘍、胃痛、十二指腸潰瘍などに効果があります。
枳実:理気、健胃、通便、化痰などがあり、腹痛、膨満感、便秘などに効果があります。
蘇葉:血行をよくし、痛みを鎮める効果があり、月経不順、頭痛、腹痛などに用います。
生姜:身体を温め、健胃、鎮吐などがあります。
前胡:解表、止咳、去痰などがあり、熱性病による頭痛や気管支炎に効果があります。
半夏:去痰、鎮吐、鎮静などに効果があります。
主薬の人参と蘇葉の「参」と「蘇」の文字を取り、「参蘇飲」と名づけられています。小柴胡湯(ショウサイコトウ)に半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)を合わせたような処方です。
風邪に効く食べ物は?
風邪を引いたときに、早く直す為の食べ物はあるのでしょうか?と聞かれれば誰もが栄養のある物をとって、無理をせずに安静にしましょうと言うでしょう。
まったくその通りで、風邪を引いて弱った胃腸にやさしく消化がよくて、温かい食べ物を食べて早く休むことが大切です。
これからの季節はお鍋が美味しいですね。お鍋は、お野菜もたっぷりと取ること出来るのでビタミンやミネラルも摂取出来ます。お魚やお肉などのたんぱく質も十分に取って、ウィルスに負けない身体を常日頃から心がけましょう!
風邪を引き込んでしまう前の初期の症状のときに、しっかりと対処することも大事です。
風邪の症状もさまざまで、発熱、咳や鼻水などの症状、頭痛や鼻づまりなどがあります。そのような症状にあった漢方も次回に紹介していきたいと思います。