柴苓湯(さいれいとう)は、柴胡(サイコ)、 沢瀉(タクシャ)、 半夏(ハンゲ)、 黄芩(オウゴン)、 蒼朮(ソウジュツ)、 大棗(タイソウ)、 猪苓(チョレイ)、 人参(ニンジン)、 茯苓(ブクリョウ)、 甘草(カンゾウ)、 桂皮(ケイヒ)、 生姜(ショウキョウ)の12の生薬からできています。
五苓散に含まれる生薬にプラス、小柴胡湯の生薬が組み合わさった処方です。
むくみ以外にも、吐き気、食欲不振、のどの渇き、尿量の減少などをともなう水様性の下痢、急性胃腸炎などに用いられます。
下記の5つの生薬が五苓散です。
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猪苓:利尿作用があります。
茯苓:利尿作用・鎮静作用・健胃作用・抗めまい作用があります。
蒼朮:または白朮:健胃作用・利尿作用・発汗作用があります。
沢瀉:利尿作用があります。
桂皮:発汗作用・解熱作用・鎮静作用・健胃作用・理気作用などがあります。
下記の7つの生薬が小柴胡湯です。
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柴胡:解熱、消炎、鎮痛、鎮静作用があり、抗ストレス作用が働きます。
黄ごん:解熱、消炎、止血作用などがあります。
半夏:制吐、去痰作用、水分の停滞を改善します。
人参:強壮、抗ストレス、賦活、補気作用などがあります。
甘草:鎮痛、抗痙、鎮咳作用があります。
生姜:発汗や健胃、鎮吐などの作用があります。
大棗:健胃、強壮、利尿、鎮静などの作用があります。
「五苓散」で、身体の水の流れを調えて改善してむくみを解消し、「柴胡湯」で身体の中に滞っている熱を発散させて、熱をとり、胃腸の調子を整えます。吐き気などの症状も抑え、アレルギー症状や水の巡りが悪い水太りのタイプの方にも効果が期待できます。
体力が中くらいで、口が渇き尿量が少ないことを目安に用います。
体の免疫反応を調整し、炎症をやわらげる働きのある「柴苓湯」には、ステロイドの免疫調整作用や血小板の凝集を抑制する作用があるとも言われていて、抗リン脂質抗体価が高い不育症(習慣流産)の治療やネフローゼの治療に使われることもあります。ステロイド剤のような強い副作用の心配があまりありません。
「五苓散」は、体質改善を目的に飲み続けませんが、「小柴胡湯」と合わさり「柴苓湯」になることで、体質改善を目的に続ける場合もあります。
むくみの原因は?
むくみは、身体の細胞内に余分な水分が溜まった状態で、血流循環がスムーズにおこなわれていません。水分が溜まるとむくみやすくなります。特に、立ち仕事などずっと同じ姿勢でいることが多い人は、足がむくみやすいでしょう。
血液の循環不良やリンパ液の停滞
「血液の循環不良」と「リンパ液の停滞」です。血液を流す静脈には、余計な水分や老廃物を回収し排出する働きがあるのですが、静脈の流れが悪くなると正常に働かないでむくみの原因となります。リンパ液も、静脈と同じように水分や老廃物を体外へ排出する働きがあるので、リンパ液の流れが滞ると、体内に余分なものが蓄積されてむくみとなります。
また、リンパ液は、リンパ管のまわりにある筋肉の動きに合わせてその動きに乗って流れます。身体をあまり動かさないで筋肉をあまり使わないと、リンパ液がうまく流れません。それがむくみにつながります。1日中同じ姿勢でいるとむくむ原因でもあります。
体温調節機能の低下
体温調節機能が低下すると体温が低くなってしまいます。体が冷えると、血行が悪くなり、筋肉が硬くなります。血液の循環不良や運動不足によって筋肉の働きが悪くなりむくみの原因になるので、体温調節機能が低下することもむくみにつながります。
冷え性や低体温の方は、体を温めるような努力も必要です。
内臓疾患や甲状腺機能低下などの疾患があると、身体の中に水分が溜まります。余分な水分が排出されないとなると、足、腕、顔などさまざまな所がむくんできます。顔全体がむくんだり、まぶたが重くなったり、喉がむくんで息が苦しいなど極端なむくみの場合は、注意しあしょう。
むくみの原因は、心不全や腎不全、原発性アルドステロン症などの病気の場合もあり、専門的な治療が必要な場合もあります。ひどい場合は「むくみ」と軽く考えずに専門的な病院で検査をしましょう。
むくみに良いと言われる食材
あずきなど、むくみに効くとされている食材は色々とあります。塩分の濃いものはもちろん避けなければいけません。冷えも良くありませんが、まんべんなくバランスよく食べれば良いのですが、下記の食材もむくみには良いとされているので参考にしてください。
パセリ
パセリは料理の添え物によく見かけますが、むくみに効果的なカリウムが、とても豊富です。添え物程度では、多くの量を摂取できないのですが、料理にいろどりとして添えるだけでなく、パセリを積極的に利用して献立に加えましょう。
あさり
あさりにもカリウムが多く、利尿作用、老廃物や過剰な水分・塩分などを排出します。喉の渇きを和らげる作用もあり、水分の余分な摂取を抑えます。
ナッツ類
ナッツ類とは、ピーナッツ、アーモンド、くるみなどがりますが、カリウムが豊富です。1日に数粒をおやつ代わりに食べるとよいでしょう。素焼きのものがおすすめで、味付けされたものは、塩分が高いことが多いので注意してください。
プルーン
プルーンもむくみに効果的なカリウム、クエン酸、ビタミンEが多く含まれています。食物繊維も豊富で便秘対策にも有効です。
きゅうり
夏の食べ物のきゅうりは、カリウムが豊富で余分な水分を排出させる効果があることをご存じの方は多いのではないでしょうか?暑さで水分を取り過ぎた場合に、身体を潤す作用や熱と冷ます作用があります。