卵子と精子の違い

原始卵胞は日々減っています!

女性が産まれたときには、卵巣の中に原始卵胞を約200万個持っています。生まれてから月経がはじまるまでに、約170万個~180万個が自然消滅してしまい、生殖年齢に到達する頃には約20~30万個まで減少しています。

そこから、減少が止まるわけではなく、その後も1回の月経周期ごとに約1000個減り続けます。1日にすると約30~40個が減り続けるとみられます。

砂時計がサラサラと落ち続けるように、年齢と共に落ちて行って無くなっていくようなイメージです。

原始卵胞には、数に限りがあることから、現在の年齢である程度の原始卵胞の想定数がわかるのですが、正確な数字はわかりにくいことが多いです。

卵子は老化する

卵子は年齢と同じだけ歳を重ねています。最近の方は見た目が若くて本当の年齢が分からないことがあります。けれども、どれだけ見た目が若くても卵子の年齢はご自身の年齢と比例するのです。

卵子は元なる原子卵胞があります。原始卵胞は、産まれた赤ちゃんのときから卵巣の中にすでに存在します。つまり、20歳で排卵した卵子はすでに20歳、30歳で排卵した卵子は30歳ということで、ご自身の年齢と同じというわけですから、年齢が上がるにつれて卵子も老化しているのです。

卵子が老化するとどうなるのか?

卵子が老化することの影響をお話します。卵子の細胞は機能しているのですが、受精卵や胚にならなくなってしまう事が多くなってきます。

卵巣の中にある原始卵胞は、第一減数分裂の途中で止まっている細胞です。減数分裂が途中まで行われているのですが、そのまま眠りについています。

長い眠りから覚めて、減数分裂再開するのですが染色体異常を持った卵子が多くなります。

染色体の数は全部で46本あります。2本が1対となるので23対になります。減数分裂は、染色体を半分に分けるのですが、均等に分けると23対ですが、均等に分かれずにどちらかに多くいくことが起こります。

22本や24本に分かれると減数分裂が失敗してしまいます。減数分裂に失敗し卵子は、精子と出合って受精した場合、染色体の数が45本や、47本になってしまったりします。

卵子の染色体異常が起こるのは、年齢に関係ないとも言われていますがが、年齢が上がるにつれて受精卵が成長していく過程の細胞分裂に失敗することも起こります。これらは原始卵胞の老化と考えられます。

これらの場合は、受精卵が育たない、もし育ったとしても着床しない、もし着床しても流産といったケースになることが多く見られます。

卵子と精子の違いとは?

卵子のもとになる原始卵胞には数に限りがあり、増やすことが出来ないことを理解して頂けたと思います。

精子は、陰嚢と呼ばれる袋状の中にある精巣で作られています。精巣の中には、精子を作るための精細管があります。精細管には精子のもとである精祖細胞と呼ばれる細胞、その精祖細胞を育てるためのセルトリ細胞と呼ばれる細胞があります。

そのセルトリ細胞の周囲には、男性ホルモンを産出するライディッヒ細胞があります。精祖細胞は、セルトリ細胞から栄養を受けて、精母細胞→精娘細胞→精子細胞→精子へと約70日かけて成長していきます。

こうして作られた精子が副睾丸と呼ばれる精巣上体に運ばて10~20日ほど成熟期間を経て受精する能力を備えます。そして、精管に進み射精となるのです。最終的に射精に至る精子は2か月半ほどかかり作られているのです。

精巣は熱に弱く、体温より少し低い温度でもっともよく働きます。そのため、締めつけ感のあるブリーフタイプの下着や、サウナや長風呂には注意しましょう。

男性の精子は卵子とは違い、精子のもととなる細胞を増やす事ができます。ようするに、何歳になっても精子をつくることができるということです。

精子は老化しないと思われていますが、現実はそうでもありません。やはり、加齢とともに機能が徐々に低下しています。精巣の大きさも少しずつ小さくもなっています。

精子の数自体も減少するのですが、精液量も減るので、精子濃度に変化はないとされます。

男性ホルモンをつくる力も徐々に低下していますし、運動精子の存在を認めても、精子自身の機能が低下しているので、受精率や妊娠率も若い頃よりは低下していると考えられます。男性も女性も加齢には勝てません。