子宮がん検診とは?

国立がん研究センター がん情報サービスより引用

子宮がん検診と言っても、「子宮頸がん検診」「子宮体がん検診」の2種類があります。一般に子宮がん検診と呼ばれる検診は、一般的には「子宮頸がん検診」を指します。

子宮頸がん検診は、和歌山市では自治体が費用を助成しています。子宮頸がんは、若い方から高齢の方までと発症する年齢幅が広く、早期の子宮頚がんでは症状があまりないことなどが理由です。子宮頚がんの検診は、身体への負担が少なく、早期発見した場合は、早期に治療することで、予後がよいことも理由にあげられます。

日本では、子宮頸がん検診の受診率は、他の先進国に比べると断然低く、アメリカでは子宮頸がん検診の受診率が85%もあるのに対して、日本は40%にも満たないところも多く、特に和歌山の受診率は顕著に低くなっていることが気にかかります。

子宮頸がん

子宮頸がんの原因は、ほとんどが「ヒトパピローマウイルス」によるものです。

「ヒトパピローマウイルス」は、ありふれたウイルスですから、性交渉の経験がある女性であれば、ほとんどの方が一度は感染したことがあると言われています。普通は、身体の免疫反応が働き、体外に排出されてしますのですが、感染の期間が長い場合や、身体が弱ったときなどに子宮頚部に居ついてしまうことがあるのです。

子宮頸部に居ついたウイルスは、増殖して自覚症状はないまま、子宮頸部の細胞が悪性へと変化してしまいます。この悪性の細胞反応は異形成と呼ばれます。がん検診では、この異形成を見つけることを目的としています。

子宮体がん

子宮体がんの発生には、卵胞ホルモン(エストロゲン)という女性ホルモンの影響が大きいと言われています。このエストロゲンは、子宮内膜の発育を促す作用があるからです。エストロゲンの数値が高い場合、子宮内膜増殖症という段階を経て、子宮体がんに移行すると言われています。

閉経後に不正出血があった場合に注意が必要です。自覚症状は不正出血で、無症状のこともあります。閉経前であっても、月経不順、乳がんを患ったことがある場合は、やはり注意が必要です。その他、出産したことがない方や肥満気味の方、卵胞ホルモン製剤だけで、ホルモン療法を受けている方も注意しましょう。

子宮体がんは、遺伝子の異常や高血圧、糖尿病、近親者にがんを患った方がいる場合も注意が必要でしょう。また、子宮体がんでは、子宮内膜の厚みが増すことが多く、超音波検査で、子宮内膜の厚さを測ることが有効な手段となります。

子宮がん検診の方法は?費用は?

問診で、妊娠や出産の経験があるかどうか、月経周期や月経痛があるかどうか、閉経年齢をお尋ねし、気になることがあればお伺いします。

子宮頸がん検診の場合は、内診台の上で子宮頚部やおりものの状態を確認します。そして、子宮頚部の細胞を専用の綿棒のようなもので採取します。時間は5分ほどで終わります。細胞を採取するときの痛みは、ほとんど痛みはありません。頚部を少しこするので、少量の出血がある場合もありますが、身体にはあまり負担のかからない検査です。

子宮体がんの検診も外来で行えます。子宮内膜細胞診と言い、子宮内部に直接細い棒状の器具を使い、子宮内膜の一部を採取します。子宮頸がん検診と違い、少し奥の方の細胞を採取するため、少し痛みを感じるために、当医院では笑気ガスを使用します。

和歌山市の方は子宮頸がん検診は、2年に1度であれば、一部公費負担で行えます。和歌山市が発行している無料クーポン券があれば、ご持参下されば、子宮頸がん検診は無料になります。

子宮がん検診は定期的に受けましょう!早期発見・早期治療が大切です

子宮頸がんも子宮体がんも、早期に発見し、早い段階から治療を行うことで、よい予後が期待できます。そして、早期発見のためには子宮がん検診が欠かせません。20歳を過ぎていれば、自覚症状がなくても子宮頸がん検診は受けた方がよいでしょう。

子宮頸がんは、早期であれば治癒率も高く、子宮を温存できる可能性も大いにあります。しかし、進行すると再発や死亡率も高くなるのです。40代以降での不正出血があれば、子宮体がんの注意が必要です。

検診を定期的にお誕生月に決めておくと、計画的に受診できることから忘れにくいと思われます。当院の患者様も定期的に、検診に来て下さる方がおられて、お顔を拝見し、お元気であることに安心させて頂き「又来年もね~!」と笑って帰って頂けることを楽しみにしています。是非、ご自分の健康のために、定期的な検診をおすすめします。