外陰部の痒みや痛み・不快感・おりもののお悩みについては、なかなかお友達同士でも打ちあけにくい話題ではないでしょうか。
初経前のお嬢さん~生殖可能年齢~閉経後と年代により、いろいろと違った悩みが出て参ります。
ご来院されるのが恥ずかしかったり、面倒だったりで、以前の受診での残りの軟膏や市販の症状に合わないものをご使用されたばかりに、こじらせてひどい状態でたまらなくて駆け込んでいらっしゃる方がおられます。
おかしいなとお感じになられた時に早めのご受診をお願い致します。
① 初経前のお嬢さんについて
小学生以下のお嬢さんに多いのが細菌性腟炎と真菌性(カンジダ性)腟炎です。
トイレに行かれる際に下着の大事な部分を(砂遊びで汚れてしまった)足で踏んでしまったり、大便時に拭き方をを間違えて後方から前方へ拭いてしまう事が原因です。
細菌性のトラブルに効く塗り薬は真菌性(カンジダ性)のトラブルには逆効果です。
公衆浴場などの腰掛けから淋病が移る事がありますので、必ず熱いシャワーで腰掛けを洗ってから座らせてあげて下さい。
② 生殖可能年令の方について
排卵日の頃の透明な卵白のようなおりものや、月経前の少し濃いおりものは異常ではありません。
おりものシートはかぶれの原因になるため、下着をしょっちゅう替えて頂く方がよろしいでしょう。
(a)クラミジア感染症
「①初経前のお嬢さんの事例」以外に、パートナーとのピンポン感染で起こる疾患( 性病 )があります。
症状が出にくいため、不妊症のお悩みでご来院された方の約3分の1が、知らない間にかかって自然に治癒した形跡が見つかります。
避妊のピルをご使用中の方も、ぜひコンドームでの予防をお願いします。
また、潜伏期間が数週間であるため、パートナーが変わられた後異和感(痒み・痛み・さらっとして少し異臭なおりもの) があれば直ちにご来院下さい。
(b) 淋病
クラミジアと、同時感染が起こる事があります。黄緑の膿みのようなおりものが増えます。
不妊の原因になるためクラミジアも淋病もお2人で治す必要があります。
(C) 外陰部へルペス
外陰部や尿道・肛門付近に水泡ができ、ひりひり痛みます。潰れて広がって行きます。
殺菌性の軟膏やステロイドは、効きません。
新生児や高齢者に移ると重症化する事があります。下着の洗濯はご家族の洗濯物と別にして洗って下さい。
(d) 尖圭コンシローマ
最初は毛穴が立った位の小さなできものが、だんだん大きくなり、鶏のとさかのように尖ってびらびらした腫瘍になっていきます。
小さいうちに塗り薬で治療をして下さい。薬が合わなかったり、大きくなりすぎると、レーザー焼灼が必要になります。
おりものは無いのに痒みがあったり、ぽつっと何かできている時には早めのご来院を。
③ 閉経後の方について
閉経後は卵巣が働かなくなり腟の自浄作用が弱くなり、萎縮性の膣炎・外陰炎が増えます。
稀に過去にかかったヘルペスやコンジローマが再燃する事もあります。
膣に子宮やその周囲の組織が下がってくる事もあります。予防の体操や気をつけて頂く事など、ご相談しながら対症療法でうまくいかない場合はペッサリーの装着をさせて頂きます。
医学的に異常がないのに外陰部の痛み・痒みを訴える方もいらっしゃいます。
そのような時に有効なのが漢方薬です。もちろん、各々症状も体質も異なられるのでその方に合ったものをお勧めしております。
平日の10時台、17時台(木曜以外)が比較的ゆっくり時間をとらせて頂きやすい時間帯です。
お待ちしております。