葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)

「葛根湯加川芎辛夷」は「葛根湯」の7つの生薬である葛根(カッコン)、桂皮(ケイヒ)、大棗(タイソウ)、芍薬(シャクヤク)、麻黄(マオウ)、生姜(ショウキョウ)、甘草(カンゾウ)に、川芎(センキュウ)と辛夷(シンイ)の2つの生薬が加わり9つの生薬でできています。

葛根湯に川芎、辛夷を加えたわけで、そのままの名前です。葛根湯は、発汗、熱を発散させ、痛みや炎症を抑える働きがあります。

葛根:身体の熱を発散させて、血流をよくします。
生姜:身体を温めます。
桂皮:身体を温めて血液の循環を良くします。
大棗:脾や胃の働きを高め、生薬どうしの効能を高めます。
麻黄:発汗、鎮咳、利水の効能があります。
芍薬:肩こりなど痛みを和らげます。また、血を補います。
甘草:健胃、強壮作用があり、各生薬のバランスをとる役目もあります。

川芎:血行を良くして、痛みを和らげる作用があります。

辛夷:鎮静や鎮痛作用のあります。

ベースは葛根湯

首のこりや頭痛を伴う鼻づまりは、身体が冷えて余分な水分が鼻にたまり、鼻の通りが悪くなった状態です。「葛根湯加川芎辛夷」は、冷えによってたまった鼻水という余計な水や熱を発散させ、体を温める作用のある「葛根湯」をベースに、鼻づまりなどの症状を改善します。

比較的体力がある方の鼻づまり、蓄膿症、慢性鼻炎、鼻水が喉に落ちる後鼻漏と呼ばれる症などに効き目があります。身体の虚弱な人、胃腸が弱い人には不向きです。

鼻づまりは、息をするのも苦しく、寝苦しかったりするので辛いものです。よく効くので我慢せずに、鼻づまりでしんどい場合はご相談下さい。

服用にあたっての注意点

葛根湯などに含まれる「麻黄」のエフェドリンという成分についての注意点はお話したと思いますが、エフェドリンは過剰に摂取すると交感神経が過剰になります。

そうすると頭痛や頻脈、動悸、興奮などの症状が現れるので注意が必要です。処方された通りに飲んだ場合は、何の問題もありません。しかし、コーヒーなどカフェインを含む飲み物と一緒に服用することは避ける方が賢明でしょう。